2012/04/30

もも家の驚き(2)


記事の分量大杉と言われるのではないかと思っていたら、やはり言われた。w
ので最新投稿を小分けにします。


風呂のあとはリビングで夕飯。
家族とともに食べるのかと思ったら、家族はもっと後だそうで。もも家の流儀なのか、ブータンの民泊が全部そうなのかはわからない。
特に家族と交流もないまま、ゲデン氏と一緒に静かに食べ始めた。


左からじゃがいもと唐辛子の炒め物、赤米、唐辛子と牛肉の煮物、穀類のスープ。



口にして7秒後に、頭が爆発した。

からいッ

味も何もわからない。とにかくからいッ!!


ブータン料理は世界一辛いと言われている。
唐辛子を野菜扱い、おかず扱いするのである。

数年前にテレビで「ブータンの女子高生のお弁当」とかいうのをやっていた。女子高生が弁当箱を開けると、半分が米、半分が真っ赤な唐辛子だった。
聞きしにまさる爆裂料理だ。
ドツォで暖まったのと、びっくりしたのと、唐辛子の刺激とで、アナン汗だくだく。

ゲデン氏は平気な顔をして大盛りをおかわりしていた。

アパやアマがしきりに「あなたもおかわりなさい」と身振りですすめてくるが、申し訳ないことに少ししか食べられなかった。自家製アラ(蒸留酒)もすすめられたが、私は酒が飲めない。残念。

ここでブータンの風習の話をば。
ブータンは何事にもゆるいようでいて、その実礼儀作法には厳しい。民族衣装の着付け方、目上の人に対する礼、日常のいろいろな場面に作法がある。少なくとも西ブータンでは。
食事やお茶やおやつを3回ぐらいすすめてくる。それが礼儀なのだ。すすめられた方は1回目で飛びついてはいけない。
京のぶぶ漬けみたいだ。
飲み物をどんどん注ごうとするのを「もう結構です」と断るには、手で器をふさぐ。

「ありがとうございます」は「カディンチェラ」。
あまりリビングに長居すると家族が食事できないと思い、カディンチェラと何度も言って、早めに部屋に引き上げた。


人類にとって重要なトイレ問題について。
農家のトイレは家から離れたところにある。灯がなかったりするので夜はライト必須。

そしてこの辺りは野犬が多いという理由で、なんとトイレのたびに誰かがつきそってきた。
ゲデン氏とか娘さんとかおチビさんとか。
野犬は昼間見るとどうということもないが、部屋に引き上げてから、外で何匹もの「ウガーッ、ガウガウガウ!」という喧嘩の声がしたので驚いた。
ブータンにも狂犬病は存在するので注意。


便器はしゃがみ式である。
私は日本で和式トイレが使えないほど膝が悪いゆえ、前もってしゃがむ練習をしていった。
しかし濡れて滑る足場でうまくしゃがめず、筆舌に尽くしがたい格好で用を足した。
ホテルのトイレは洋式で楽だったけど。

用を足した後は水桶から水をくんで流す。
紙はごみ箱へ。詰まるので流してはいけない。昔は東南~南アジア同様、手でお尻を洗っていた。



静かな夜を過ごした。
風の音、木々のざわめき、虫の声。
犬の大騒ぎを除けば、安らかな夜だった。

あ、物音は農家でもホテルでも筒抜けなので、音に過敏な人は耳栓も必須ね。


翌朝からは、私に配慮して辛さ控え目の食事が出された。作るのはおもにアマや娘さんのようだった。

右上から時計回りにエマ・ダツィ、赤米、スジャ、オムレツ。

上から時計周りに白米、カブの煮物、キクラゲと春雨のサラダ、唐辛子と牛肉の煮物。

エマ・ダツィはブータンの代表料理ともいえる、青唐辛子のチーズ煮込みである。
やっぱり唐辛子はどうしても外せないらしい。
ゲデン氏用には別に赤唐辛子のてんこ盛りが用意されていた。
味付けは塩とちょっぴりの山椒。素朴な田舎料理を味わえてよかった。
特にカブの煮物は気に入って、何度もおかわりした。


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